大森理論

OOMORI−Theory

‐ル剛性【ROLL−STRENGTH】


 ロール剛性で、実際に重要なのはロール剛性の前後配分のことです。 が、これではまるでわからない人も多いと思うので解説。

 ロール剛性の前後配分とは文字どおり前と後ろでどちらのロール剛性を高くするかというものです。コーナリング中は(例えば左コーナ)左から右へ荷重が移動します。 が、前輪と後輪では荷重の移動量は同じではありません。ロール剛性が高い側の方が多く荷重移動するのです。(あくまでも軸荷重に対する比率)
 よってロール剛性の前後配分を変えることで荷重移動の前後配分を変えることができるわけです。
 しかし変えることができるのは前後配分なのであって、荷重移動量の前後合計の絶対量は重心高とトレッドのみによって決まってしまうのでローアンドワイドが必要となります。荷重移動が大きい方が内側で失われたグリップ力に対し、外側のグリップ力で取り戻せないため、結果として左右合計のグリップ力が落ちます。(ゴムがクーロンの法則に従わないことが原因)
 こうすることでコーナリング時の前後のグリップ力の配分が可能になりステアリング特性を変えることができるわけです。 ゴムがクーロンの法則に従わなくて良かったと思っている自動車設計車は多いはずです。


以上!
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