大森理論

OOMORI−Theory

‐ルセンター【ROLL−CENTER】


 まず、サスストロークとはタイヤの上下移動量の左右合計(伸び量+縮み量)としたいと思います。
 トレッドが前後同じであればロールセンタ位置にかかわらず、サスストロークは前後同じです。(ロール角は前後同じだから)

 では何が変るのでしょうか?。
 ロールセンタ位置が違うと伸び側(内側)と縮み側(外側)のストローク比率が変るのです。
 ロールセンタ位置が重心より低ければ縮み側の方が多くストロークします。 よって重心高は下がります。
 昔は(この考えかたが広まっていない頃)重心高よりもロールセンタが高くコーナリングすると重心高が上がりそのままコケてしまう車もあったといいます。(しかも内側にロールして気持ち悪い:時代劇にでてくる御殿様の乗るかごを考えると良く分かる)
 またコケないまでも、不安定極まりなくロールセンタより重心高が高い車など今ではありません。 ちなみにロールセンタと重心高が同一高さの場合は全くロールしない素敵な車ができると思われますが、これまた不安定極まりないそうです。
 また、ロール剛性の前後配分を変えることでステアリング特性の変更が可能なので、どんなレーシングカーでも外側にロールしながら走るわけです。
 カートも(スリックカートも)よーくみると、フレームがしなって外側にロールしています。 スリックカートは、たいがいコーナリング中は後輪内側は宙に浮いているはずです。人間(重心)より前側はよくねじれ、後ろ側はほとんどねじれない為、このような現象が起きます。
 こうすることでドリフトし放題のステアリング特性としているわけです。

 なお本文の8割はレン・テリー著の”レーシングカーの設計”本からの引用ですので詳しくはそちらをご覧ください。


以上!
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