大森理論

OOMORI−Theory

フラー【Muffler】

 マフラーが太いと低速トルクは落ちるのか?
 これは車ごとにことなるので一概に言えないと思われます。
(低速域の定義があいまいなので2000〜4000rpmを勝手に低速と定義します。0〜2000rpmはアイドリング)
 なぜなら、低速重視のマフラを純正で採用している車の場合は純正の太さが最適な太さ(慣性排気がもっとも効く太さ)なのであってそれより太い場合は当然最適な太さから外れてしまうので低速トルクは下がると考えられるし、逆に低速ではなくて最高出力を重視している場合は低速域における最適太さよりも元々太いのでそれより太くするとトルクが下がるのはこれまた当然と言えると思います。
 よって太くして低速トルクが上がるための条件は、純正の状態でなんらかの事情により、低速域での最適太さよりも細く作らざるをえなかったときのみと言えるわけです。

 実際の車に当てはめて言うと、恐らくターボなし車の場合はそれなりに最適太さで純正が作られていると思うので、マフラーを太くすると低速域のトルクが落ちたとしても不思議はないと思います。
 反対にターボつきの場合は、低速域でもNAに比べると猛烈にトルクが出ているし、ターボそのものが排気抵抗となっているので純正は最適太さに対し細めにできていると推測されます。 よってターボつきは太くしてもトルクが下がるとはあまり考えられません。

 ということで、マフラを太くすると低速トルクが細くなるという迷信は以下の二つの理由により広まったと思われます。

 @昔の車(L28とか2TGとか)はエキマニの最適化がされていなかった(集合部までの長さが短く、エキマニは高回転型だった)為、純正のマフラ太さが低速域としては最適太さであった。

 A実際には最高出力が上がる分に対して、あまり低速トルクの上がり幅が低いので下がったように感じただけ。

 雑誌にはよく”マフラを太くすると抜けが良くなりすぎて逆に低速トルクは落ちる”と書いてあるんだけど、これってまったく意味不明なんだよね。
 2ストじゃあるまいし、4ストの場合、排気ガスは燃焼室から抜けが良ければ良いほど燃焼室内の残留燃焼ガスがなくなって、その分充填効率が上がって出力は上がるはずなに、こういう記事を読むとやっぱり2ストみたいに吸気が排気側に吹き抜けないようにすべきなのかなんて思う人がいるんじゃないかと思うと心配です。
 すなわち、低速域ではマフラを細くした方が、吸気の吹き抜けがなくなってその分吸気量が増えてパワーがでるんじゃないか?。 なんて考えている人が多い気がします。
 よって、今後雑誌には”マフラーの太さを純正に対し変更すると、最適径でなくなるため低速トルクが下がる”と書いてもらいたいものです。
 本来はマフラーを太くした結果、慣性排気の効く回転数が上の回転数に変化したため、その分充填効率が下がり低速トルクが下がったと書くべきなのでしょうが、一般の人にはなんのことやらさっぱりわからないので、”最適でなくなった”と表現するのが適しているように思われます。

以上!
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